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『歌と彷徨 1 』 中上哲夫 [ISBN978-4-8120-1946-7]
ジーンズの上下にリュックを背負い、ややうつむき加減に歩いてゆく。よく見ると釣り竿と魚籠を下げている。アイオワの風に吹かれながらバーボンをあおり。水浸しの日本を思う。すると、川面に延ばした釣り竿に初雪が積もる。JAZZとお囃子、ビート詩と俳句、孤独な旅人はひっそりと「わにのばあ」でビールを飲んでいたり、一篇の詩のために熊のように室内を歩き回っている。詩のある人生は、こんな風に素敵なのだ。
登録日: 2012/02/15 投稿: 富沢 智様
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