詩人とは言葉の魔術師でなくてはいけません。詩の魔術はこの世の無からさまざまな美しさを生み出す秘法でもありますが、一方禍々しいものもたくさん生み出す魔女の技でもあります。
そしてその魔女は時として「きれいはきたない、きたないはきれい」といったこの世の真実を語り、また時には陰で不吉な予言もする、この上もなく魅力的な存在なのです。(尾世川正明)
おおきなクジラとちいさな耳かきが、なんの不思議もなくとけあう水野ワールドでは、『ユニコーンの夜に』のもっとも動物的な力の象徴の「馬」が、植物のように地面から生まれたり、空をとぶ鳥のように卵から孵ったり。水野さんの詩が難解だ、という人がいるけれど、へたな夢判断をしようとさえしなければ、子どもだって(子どものほうが、より一層)豊かな宇宙で遊べるのに。(相沢正一郎・解説より)
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