石原慎太郎に捧げる珠玉作!
「悲しやないかっ。のう、悲しやないかっ。悲しやないかっ。のう……」
母親の感性と保護の下から抜け出すことができない青年光一の葛藤と苦悩。心を閉ざしたままの父と、父親不在で育った母、そしてその母の恋愛・自殺未遂を経て、旧弊で閉鎖的な農村のしがらみから逃れようともがき続ける。ある日、偶然に母の実父の存在を知り、光一はその実像に迫ってゆくが……。
表題作のほか、内気に見えていた祖父の若き日の恋と野心を真直に描いた「祖父の冒険」を併録。
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