木が一本立っている
それだけで詩なのに
多くの知識が加わったために
詩が濁り木が立てなくなっている
(「モクレン」より)
本書では詩の収録が「子ども・学校」に関わるものに限定されているため、武西の膨大な作品からすると、あくまでその一部の紹介ということになる。必ずしも「子ども・学校」と関わるのではない作品も武西はたくさん書いているのだ。とりわけ、武西が二〇一〇年から故郷の和歌山県、高畑で農作業に従事しはじめたことは、今後の武西の詩にどのような展開をもたらすのか。何ごとにも手を抜くことを知らない武西だけに、私たちは大いに期待してよいはずだ。
(細見和之・解説より)
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