レントゲンのように
肉をとおして
見えないものに形を与えようとする
愛とは何か
(「閉める」より)
“目には見えないが存在するもの”“形はあるがとらえがたいもの”に心ひかれる、と赤松さんは第四詩集の後記で述べているが、多くの異文化に接しながら、この人の目線はつねに低く、全詩篇、その関心は人間の哀歓の底を流れる“目には見えない”そして“とらえがたい”しかし、“存在する”何か、であることが納得できる。(伊勢田史郎・解説より)
人民と名づけられた国家の人民は、なぜ特権階級に苦しめられるのか。訳詩集を三冊出した氏は、原書に共感したからだ。独ソ戦を取りあげながら、現象として似通った部分を持つ詩は、スターリン体制に対する、メタファーだったとも読めよう。『風を追って*雲を追って』は、訳詩集に通じるテーマがある。
(三宅武・解説より)
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