太原千佳子は聖公会の中等教育、カトリックの高等教育を経て、英米文学の道を極めるべく、かねてより念願の、英国本土最西端「ランズ・エンド」の地を踏む。その一方家庭に入り、繰り返し、立ちはだかったのは「人間(神)とは?」、「生きる意味とは?」の超難問である。日々、自問自答する中、詩人は言葉を超越した巨大な石の存在を発見、ついに日常的呪縛から解放される。詩集『エリザベス』には、人生の孤独の意味と知的な解析、カンタベリー巡礼地を一人歩いてきた求道者の姿が映し出されている。
(中村不二夫)
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