肌勢とみ子さんの詩は、生活への認識の深さを比喩から象徴へと進化させ、物語性を付加させた高度な技法による作品です。表題の『スワンソング』は伝説上の白鳥の歌からとられ、肌勢さんも「この詩集を人生最後にしようと思っています…」と語って下さいました。貧しく辛い生活のなかでも確かに瞬いていた真実の光の記憶を追う詩集です。真実の言葉の喜びにめざめた高らかな歌声は、彼女しか書き得ない、彼女の生きた証を語りつつも、支えてくれた人々への感謝の詩集でもあるのです。(中谷順子)
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