家を継いで代々の骨を託された詩人は、彼岸と此岸の境を越えてくる骨の声を聞く。逝ったばかりの姉の声に愛別離苦の想いを抱く一方、昔日の怨憎会苦の記憶はユーモアをもって軽々と受けとめる。骨壺からの尽きぬ昔話にやがて自分も連なることを想うとき、空の遥かな彼方から吹き寄せてくる風が詩人の身にまとわり、天地のあわいへ引き揚げてゆく。
(川中子義勝)
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