この詩集の上梓と時を同じくして詩人は八十歳を迎える。「書きたいと思うテーマがある限り書き続け」てきたし、これからも書き続けると「はじめに」志が述べられる。その言葉のとおり扱われているテーマは実に多彩である。…「飄飄と」とは、世俗に拘らぬ超然とした生の謂ではない。一人の市民として、人間として、時々の風の向きに身を晒し続ける決意の表明と読んだ。蓄積した経験と磨き抜かれた知恵で、社会の矛盾に挑戦する果敢な生を引き受ける。詩人の反骨精神が躍如とした詩集である。
(川中子義勝)
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